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スノーモビル体験記(2006〜2007年シーズン)
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一匹狼
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2006
年12月29日 APPIスノーモビルランド・ツアーコース(車載温度計 29日:−2℃)
今シーズンもスタートは、岩
手県安比高原へ遠征になりました。
その安比高原は去年とは打って変わって雪がない!顔見知りリピーター以外は一切お断りという非常に厳しい状態でした(お子様用のバナナボードも営業休止
に追い込まれている)。ということで、スタッフが顔を覚えていてくれたため、運良くスノーモビルに乗ることが出来ました、ラッキー!。もし乗れなかったと
きにはかなりのショックだったかもしれない。
で、その雪不足のコースは初心者には無理です!クローズになる理由がよく分かりました。1.5kmの周遊コースが牧草と泥が見える最悪の状態、きつめの
起伏連続とトドメを刺すような逆バンク・・・、去年のあの初心者コースとは同一とは思えない上級者コースへと変貌していました。去年の大雪で平坦になった
コースとは正反対、短距離でも上級者が楽しめる難易度の高いコースでした。特に逆バンクでの高速トラバース(ドリフト)が決まるととても気持ちが良い。
ツアーコースも11kmの距離が取れないということで、5kmと11kmの組み合わせた変則コースを走りました。全体がやはり草が顔を出し、一部泥が出
ている。そして、地形がそのままのきつい勾配と変則コースのための直角カーブ、一部では杭が顔を出している。雪が少ない方が初心者には無理でも中級者以上
(中の上レベル)の人には手応えのある面白いコースです。
この雪の少ない状態、平坦コースしか走ったことがない人には新たな刺激になるかも知れないし、体重移動の練習にはちょうど良いかもしれない。
2007
年1月27日 ゴ
アーズ・北側上級80km周遊コース(野辺山温度計−2℃、車載温度計−2℃)
今年は暖冬とはいえ(麓では畑に雪がない!)、北八ヶ岳もシーズン
インしています。雪がないのではと心配しましたが積もっていました。
モビルとは全く関係のない話だが、八千穂高原へ行く途中の国道141号道の駅南清里付近で、僅か200mの区間で事故4件、原因は「ブラックアイス」。
前日の雨が凍ってスケートリンクと化した路面。一見すると濡れていると錯覚するが、走行音がドライ状態で水しぶきがあがないのが特徴。この状態がブラッ
ク
アイスで、アイスバーンより始末に負えない。スタッドレスタイヤ装着で時速10kmでもブレーキを踏んでもハンドルを切っても制御不能になります。4輪駆
動車が軒並み事故っていました。
須玉(長坂)〜野辺山〜市
場坂下ま
での区間は勾配がきつい日陰の道路なので特に凍結路に注意が必要です。
モビルの話しに戻しましょう。今回は、名古屋の4人中3名がライセンス取得のため、ソロでの走行になりました。
最初は初級コース、中級との分岐まではスムーズ走行できました。で、その先がなんと新雪が積もり圧雪が効いていない状態。CS340でラッセルをしなが
らという凄い状況下での走行になりました。昨シーズンの大河原峠でラッセル走破技術を教わっておいて良かった!普通ラッセルはもっと重く排気量のある大き
いモビルでやりますが今回は340ccでやりました。初級コース終点(雨池)の写真は、いつものもみの木には雪が無く霧氷状態。これは地吹雪により雪が飛
んでしまっ
た為と思われます。
初級コース、いつもの「もみの木」 初級コース(振り
返ったところ)
その先の上級コースも相変わらずのラッセル状態でお化け越え、ここが地獄の始まりだった。ラッセルを行いながらトラバースという、今思えばかなり強引な
乗り方でコブに頭からモビルが突き刺さった。雪を
掘りモビルを引き上げるも、お化けを越えるまで4回もスタック。5m進むのに30分以上も悪戦苦闘してしまいました。そして、一本橋もラッセルと軽いトラ
バースの組み合わせ技をしながら何とかクリア。そして、
双子池分岐点から大河原方面へ・・・。行かなきゃ良かったと後悔してもあとの祭り。1つ目のカーブを曲がりきったところで大規模にスタック、抜け出してU
ターンしようとして又大規模にスタック。この時、ヘルメットを脱いだ瞬間に髪の毛が凍った!ヘルメットも凍った!あっという間の出来事。暖冬とは言っても
八ヶ岳連峰の尾根は極寒の地でした。
そして、何とか双子池分岐まで戻ってきて、「またお化け越え?・・・絶対にスタックする!」と確信したため、下界に降りる決断をしました。「ドリフト
コース」をひたすら下るもやはりラッセル状態が続き、途中であまりの新雪の深さにコースアウト、まさか下り坂でスタックするとは、想像もしていないことが
起きました。結局上級コースで7回もスタックしてしまいました。
頭から突き刺さったモビル(掘り出したところ)
お化け(振り返ったところ) お化け(進行方
向:地吹雪状態)
※お化けの進行方向にはモビルで圧雪した痕跡がない
のがわかります
大河原手前の針葉樹林帯
霧氷状態の木
Uターンに失敗してスタッ
クしたモビル
双子池分岐点に立つ看板2枚
ドリフトコース方向(筋肉ぱんぱんコース) 一本橋(お
化け)方面
※ドリフトコース側に、モビルで走った痕跡らしきものがありますが、この状態
はもはや圧雪とは言いません。
ドリフトコースの終点を更に進み砂防ダム横から中級ロングコースへ、一度しか来ていないのによく迷わず中級コースへ行けたと思う。で、今度は雪が僅かし
かない!路肩にある僅かな雪を踏みしめながらゆっくりと進み、NHK外国放送受信所ゲートへ。ここまで来た時に自分の目を疑った。全く雪がない。おまけに
晴れている。尾根の吹雪(地吹雪かも)は何だったの?
このゲートには地元のモビル仲間(過去に一緒に走行経験あり)が軽トラでモビルを積んできていたが、ボー然状態、本当に雪がない。仕方なく雪のないゲー
ト脇をすり抜け、100mを砂利道を進むはめに。100m過ぎ辺りから少しづつ雪が・・・。そのころ、ロッヂでは第1陣救援隊を派遣していました。そし
て、中級コースは順調に山道を登り無事帰還。帰還して約30分後、第1次救援隊も帰ってきました。なお、ロッヂに帰還したときに第2次救援隊が出発の準備
をしていました。
中級コース(復路側) 小屋の左側が
NHK側、右側が畑側(遊べます)
80km周遊コースは標高差が1200m位あり、片方は氷点下の吹雪に対し下界では早春の景色という相反する光景を体験できるコースで、初級・中級・上
級前半を網羅しています。ほとんど休憩なしの乗りっぱなし状態に近い状態で午前10時前出発で午後2時到着でした。
まったく圧雪されていないコースを走れる機会はゴアーズでも少ないです。しかも普通のモビルランドでは圧雪してからお客を入れる、又はインストラクター
(ガイド)が先頭を走り、圧雪してしまうので、ラッセル経験はほぼ不可能です。ちなみにラッセル走破が出来るようになると、最高の条件(全く荒れていな
い)でスノーモビルを走らすことが出来、いざとなったら自分でコースを作ってしまうことも出来るようになります。ゴアーズ上級者(常連客)は、お客自ら
コースを作ります。
ラッセル走破は、常に体重を車体後方に掛けながら操縦して、トラックの空転を防ぐのと同時にスキーが埋まらないようにします。ライセンス取得時に教わる
体重のかけ方とは違うので、それなりの練習が必要です。ゴアーズ上級では必要なラッセル走破技術だけど、他のランドではラッセルの練習なんてやらしてくれ
るのかな?
2007
年2月24〜25日 ゴ
アーズ・北側上級コース(24日の野辺山温度計−7℃、車載温度計−4℃)
(25日の早朝の車載温度計−17℃) 24日は、3名がライセンス取得のため、午前中はソロでの走行になりました。前回のラッ
セルとは違い、圧雪されていたためスムーズに大河原峠まで行くことができました。今年は暖冬のためかお化けがスムーズに通過でき、一本橋もトラバースなし
で行けるという状態でした。しかもほぼ快晴に近い状態、条件としては最高でした。
初級コースの「もみの木」:快晴という最高の条件で撮影。
この2枚はお化け、左側が「往路」で右側が「復路」になります。
往路より復路の方が難易度は高いです。ちょっとしたタイミングのズレでこの雪庇を乗り越えられなかったりします。
この6枚は大河原峠です。こんなに青空が広がっている大河原峠は初めて来ました。
いったんロッヂに戻り昼食をとった後に、地元の人達とまた大河原を目指しました。・・・途中コース上のストーブで鹿肉を食べた後に大事件が待っていた。
一本橋を渡った後の通称「石垣」というトラバースの名所で3台中3台がスタックという状況下、うちの1台がスタックを脱出した瞬間に無人で暴走!そのまま
絶壁へ・・・視界からモビルが消え、約30m転落。途中の木に引っかかって止まっているがエンジンが絶好調に回り続けている。ほんの一瞬で手がつけられな
い状態でした。夕方だったため、いったん引き返して明日対策しようということになりました。話には聞いていたが、まさか目の前で転落事故を目撃するとは。
無人で本当に良かった、人が乗っていたら大惨事になるところだった。
翌日(25日)早朝のロッヂの窓から見える景色(八千穂高原自然園)、本当に静かな高原の朝でした。
朝8時30分にロッヂを出発、現場到着が9時00分。現場で作戦会議を行い、引き上げより下の林道へ下ろした方が早いということで上から3人、下から6人
という作戦を実行。下の写真がそのときの状況です。総勢9人がかりという大規模な作戦が始まりました。
出発準備風景とコースからのぞき込んだ事故現場(ほぼ垂直に落ちた)
最初は立木からモビルを1mほど引き上げ、下へ降ろす準備をしました。45度を超える斜面では人海戦術は使えないため、ウィンチを使いました。
大破モビルを下の林道へ下ろしている状態。ロープ2本を交互に使いました。ちなみに、下の林道とは「上級ドリフトコース」です。
大破モビルを林道まで降りきったところで、使えるかテスト。そしたら・・・見た目は大破でも壊れているのはマフラーと外装のみで自力走行が可能な状態でし
た、排気音はそこらを走っている暴走族に負けていない。ということで、ストーブがあるところまで引き返すことにしたがすでに昼過ぎ・・・。3時間以上も絶
壁に近い斜面で格闘をしていたとに気がついたのは林道で時計を見てからでした。
この6枚は隊列を組んでお化け越えをする状態です。途中で3〜4人ほどがコース上にたって安全を確保します。
午後1時30分頃からストーブを囲んでバーベキュー!このストーブは初級コースのど真ん中にあります。やかんはラーメン用のお湯で、隣の鍋の中には鹿が
入っています。
こうやって、今回の断崖絶壁からのモビル回収作戦は約半日で無事終了。絶壁からのモビル回収という、滅多に出来ない体験が出来ました。
みなさ〜ん、ご苦労様でした。